金沢の海の玄関口、金石のまちを彩る夏まつりは、神様をお迎えする「里帰り」のお祭り。江戸時代から変わらない形態で執り行われる祭礼は、金石人の感謝の念から発祥しました。
江戸時代初期とほぼ同じ形態
金石人の心の拠りどころとなっているお祭りです。通称「金石夏まつり」として親しまれている大野湊神社の夏季大祭は、金沢市内でも最大規模の祭礼の一つです。江戸時代初期から、お神輿を中心とした行列の形態はほぼ変わることなく受け継がれてきました。
神様が「里帰り」するお祭り
天照大御神・猿田彦大神(佐那武(さなたけ)大神)を祀る大野湊神社は、元々「宮腰(みやのこし)」(現金石)に鎮座していましたが、1252(建長4)年の火災により、現在の社地(寺中町)に遷座されました。夏まつりはこの二柱の御祭神を旧社地近くの「日和山仮殿」までお神輿でお迎えする「里帰り」のお祭りです。
多彩な祭礼行事
御祭神が3日間過ごされる間に、氏子らが悪魔祓い・獅子舞・奴・米上げなどの民俗芸能を奉納します。御祭神はまちの平安を見届けさらなる繁栄を導いてくれます。地域の力で受け継がれてきた伝統継承の観点から、金沢市無形民俗文化財に指定されています。
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1日目(金)
- 10:00 神輿出御
- お神輿は金石のまちを経由して浜辺の仮殿に遷座します。
- 11:30 着輿祭
- 仮殿到着後、故実に従って夏越大祓が行われます。
- 17:00 夕御饌祭(ゆうげみさい)
- 大神様に夕食を奉る祭典を行います。
2日目(土)
- 10:00 夏季例祭
- 最も重要なお祭り。地域の発展、住民の安泰等を祈ります。
- 12:00 海上安全祈願祭
- 17:00 夕御饌祭
3日目(日)
- 11:30 出御祭
- 12:00 神輿出御
- 町々を巡って祭典を行いながら神社へ還幸(かんこう)します。
- 16:30 お祭り広場
- 民俗芸能や曳山・太鼓台が集結、盛り上がりは最高潮を迎えます。
- 19:00 着輿
1300年の歴史と文化を有する「みちびきの神」
大野湊神社
727(神亀4)年創建の延喜式内社、護国八幡神、天照大御神、猿田彦大神を祀る。前田利家をはじめ歴代藩主の崇敬篤く、金沢の伝統文化を色濃く伝える「神事能」は、1604(慶長9)年より400回以上の公演を数える。